高島 宏平 一般社団法人東の食の会 代表理事(オイシックス株式会社 代表取締役社長)がハリケーンカトリーナの後の復興で、ニューオーリンズが起業の町になったことを語っていましたた。
「2007年から2009年までを通して、ニューオーリンズ市街地に住む10万人のうち450人が起業した。この数字はカトリーナ以前の2倍以上となっており、アメリカ平均320を大きく上回る」
「ハリケーンから10年、”起業のまち”と呼ばれるようになったニューオーリンズ」
高島代表が続けたのは、ニューオーリンズでは、5年目位が一番しんどかった。今、東北に関わっている人たちも、ここがしんどい。続けて、ニューオーリンズで大切だったのは、ビジョンを持つことだった、ということで、私たちもビジョンを作成しようと。
先進事例や生産者の生の言葉に触れながら、各分科会(私は「人材」)に分かれ、約3時間のディスカッションで、ビジョンをまとめ、そして、2017年4月に女川町で「東北ブランドアワード 第1回東北突き抜けろ!カンファレンス」を開催することまで最後決めました。
「いや、すげーな。」と、感じました。今回のディスカッションは、必ずしも心地よくないんです。正直、「3時間で2020年までのビジョンを決める?、無理じゃねーの」というサボタージュ*の声がちらちら心の中で繰り広げられながら、様々な論点が錯綜するなかで、議論がまとまっていく過程は驚きでした。
そして、このカンファレンスの事務局の人とカネはどこから出るんだろう?と今でも驚きですが、そこは、岩佐大輝の「脱リソース論」ですね。
ビジョンや理念に裏付けられた最初の一歩にヒト、モノ、カネは集まります。
だから高いビジョンや理念があるなら、何かしら最初の一歩を踏み出すといい。どこの企業でも「これをやりたい」と思っても、「そのリソースをどこから持ってくるのか」とかリソース論で終わってしまう。そうではなくて、ビジョンさえあれば、リソースはなくてもできることはたくさんある。順番は、ビジョン→リソース→実行じゃない。ビジョン→実行→リソースであることを忘れてはいけないと思うんです。
参加していた小泉進次郎議員も、「東北のこの地に、これだけの人が集まるのは驚きだと。自分の地元に来てくれと頼んでも、来ないだろう」と述べていました。
ビジョンができれば東北には集まるのでしょう。もちろん、リーダーの想いが大切なのですが。
私自身もこのビジョンの当事者になっています。別に過去から続く東の食実行会議に初参加の私がいなくても、ビジョン作りにはほぼ影響しなかったと思います。でも、自分が作った気になる。そして、やろうと思う。まぁ、これでいいんだと思います。リーダーシップの定石、ビジョン作りに、多くの人たちを関わらせることの効用ですから、まんまと巻き込まれているわけですから。
もう少し、東北のこのイベントについて書きたいと思いますが、一番大切なところを言葉にしておきました。
注*:サボタージュとは、コーチング用語で、何かを成し遂げる時に、出てくる自己制限的な声のこと。何か「不足」している、もしくは、何か「過剰」があるために、できないと思うこと。お金・学歴・経験などが「不足」している。年齢・他にやるべきことが「過剰」とか。
詳しくは、こちらのAll Aboutの記事で