ひとことで言うと「けったい」を取り扱った映画。華道の家元、実在した戦国時代の「池坊専好」が主人公のストーリー。
池坊専好が、いけばなを通じて、花に命を与え、「けったいな」作品が多く作中に出てくる。
主演の野村萬斎からも「けったいな」表情が飛び出てくる。
観る側も誘われて、にやりと、普段ないけったいな表情が引き出される。
どの時代にも、けったいな人は多くいる。
けったいな人が、その表現を真っ当し、ときに、多くの人にからかわれ、あざけられ、ののられながらも、ときに、笑みを誘い、耳目を惹きつけ、心を洗う。
作中では、天下人となった秀吉が敵役となる。孤独からくる寂しさに苛まれながら、自らの規範を強いて崇敬をえようとする。
秀吉に対して、千利休、池坊専好ともに口にした言葉
赤もよい、金もよい、黒もよい
そして、秀吉様、安心してください、あなたもあなたのままでよく、愛されているのですと。繰り返し伝えようとする。
この一人一人の個性が愛される多様性のある社会のために、利休は殉じ、専好は、命をかける。
SMAPの「世界に一つだけの花」の歌詞が浮かんできた。
そうさ僕らは
世界に一つだけの花
一人一人違う種を持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい作詞:槇原敬之
ある1つの型に嵌らないからこそ、それぞれの人が美しく、輝ける。
今の日本に求められている考え方だと思う。