ちょっと前の映画だけど。ディズニー/ピクサーの長編映画『インサイド・ヘッド』には、大切なメッセージが含まれている。
- 怒り、悲しみ、喜び、嫌悪感、恐れは、すべて一人の人の中にある
- 感情は一面的な評価をされやすい
- 感情を殺すと急速に老化し、時に人格の崩壊をまねき、人の魅力を損なう
- すべての感情を受け容れることで人間の器が広がる
大切なものを失った時には泣く。大切なものを得た時には喜ぶ。自分の感情を受け容れることで、人間力を高めることができる。
■怒り、悲しみ、喜び、嫌悪感、恐れは、すべて一人の人の中にある
ライリーという主人公の少女の中にヨロコビ、イカリ、カナシミ、ムカムカ、ビビリ。これらの感情達が、人の行動や記憶、それらが統合された価値観に大きな影響を及ぼしている。
怒り、悲しみ、喜び、嫌悪感、恐れといった感情は、人の中には存在している。
映画の中では、感情の妖精たちがドタバタ劇を繰り広げる。誰かがいなくなったり、置き去りにされたり、暴走したり。そのたびに、主人公であるライリーの感情が大きく揺れ動く。
■感情は一面的な評価をされやすい
公の場には、暗黙の制限がかかることが多い。社会が抱えている物語や価値観に沿って、ある感情が過度に制限されたり、強調されたりする。
インサイド・ヘッドの中では、「ヨロコビ」が強く、「カナシミ」が忌むべき存在になっていた。
一方で、逆のことわざもある。
「男は三年に方頬」
男がいつも笑っていると威厳が損なわれるので、めったに笑わないほうがよい。男は三年に一度笑う。
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/260503/meaning/m0u/
僕自身も、感情の取り扱いがよくわからず、自分の感情に蓋をする癖があった。昔の上司に「修行僧」のようだ、と言われたこともあったなぁ(笑)。
■感情を殺すと急速に老化し、時に人格の崩壊をまねき、人の魅力を損なう
インサイド・ヘッドでは、「ヨロコビ」と「カナシミ」を失ったために、心が壊れそうになる場面がある。ライリーは、外から見ていると、無感動で無表情になる。
「鎧を着ている」「半分死んでいる」ようになる。こうなると行動原理は、「こうしなければならない」という、他者評価に基づくものとなる。場合によっては無気力になり、塞ぎ込むようになる。自己欺瞞が増え、「箱に入る」という感じになる。(「箱」については、こちらの本をどうぞ)
『人は「感情」から老化する』和田秀樹の著書のタイトルにもなっている。私が新卒の入社式で、丸紅の竹橋本社最上階の新入社員歓迎パーティのスピーチで、当時会長だった鳥海巌も言っていた。「知力」「体力」「感情」で最も衰えやすいのが、「感情」であると。
僕自身が感情に蓋を一番していた時期の物語は、こちら。結局、僕の周りから人は去って行きました。
× 感情を殺してがんばった。だから、人から愛される
○ 感情を殺してがんばった。だから、人が離れていく
(ある状況の中では、感情を殺してうまくいく組織があるのは確か。特に、世の人気職業に多い傾向あり。そうした組織の特徴は別途書きたい。)
■すべての感情を受け容れることで人間の器が広がる
すべての感情があってこそ、日常の多様な出来事を味わい尽くし、人生の奥深さや広さを理解することができる。
例えて言うなら、感情は空模様のようなもの。晴れる時もあれば、雨の時もある。蒸し暑い時もあれば、暴風雨もある。それが、自然。
感情を受け入れないと、人の器が小さくなる。
さまざまな感情を受け容れることで、人の器が広がる。
何か大切なものを失ったら、悲しむことが大切だ。映画の主人公のライリーは、涙を流したことで、新たな世界で生きる力を手に入れた。(シーンとしては、映画『千と千尋の物語』で千尋が異世界でハクから差し出されたおにぎりを食べて涙を流したところと同じ)
もちろん、何か素晴らしい出来事がおこったら、心から喜ぶことが大切だ。目標を達成したにも関わらず、次から次へと来る新しいタスクに心囚われて、喜ぶことを忘れてはならない。
ということで、今日、僕は、KIBOW社会的インパクト投資メンバーと、8月の成果を喜ぶ会をします!
「ありがとう~、8月!ありがとう~KIBOW!ありがとう~シーズ・オブ・ウィッシュ!」(マック赤坂風)